音羽市は、関東にある地方都市。
物語の主な舞台となる音羽学園は、街の北部にあるわ。

地相としては、南に向かって川が流れて、
他三方が山に囲まれた形ね。

首都圏へのアクセスも良く、
元々はベッドタウンとして発展し始めたのだけど――
あのー……蛍さん?
このコーナーでは、そういうのを紹介するんじゃないですよ?
今のままだと『街に歴史あり』みたいなコーナーになってます!
舞台の説明でしょう?
ならまず、その土台となる街の説明からするのが定石で――
あ……なるほどです〜……
……って、そそそ、そうじゃなくて!!
それはそうかもしれませんが、今回はあまりゆっくり出来ないので、
それはまた別の機会にしましょうです!!
…………
(今、ディレクターからカンペで注意が飛んできたわね)
えー、えーと……『それに依那たちの紹介もまだですよ!』ですよ!
……そうね
(今、プロデューサー発言をそのまま繰り返したわね……)
えーと、今回、音羽市を紹介させていただく依那でーす
WLO東日本第七支部班長五百倉蛍です
(これ……必要なのかしら?)
はい! では、さっそく舞台となる音羽市のご紹介です!
どうぞ、蛍さん!
…………
(結局、私がやるのね)
――コホン。
街での行動の拠点になるのがこの駅前ね。
『市営地下鉄・音羽台西口公園前』
よく、カエルの王様の像が待ち合わせの目印になっているわ。
夜には、トムヤンクンラーメンにお酒、あとはおでんにピザ!
なんでもありな屋台が出ていることもあるんですよね
……トムヤンクン(ゴクリ)
蛍さん辛い物好きですもんね。
 この収録が終わったら、食べに行きましょーねー
……な、なによいきなり(慌てて眼鏡を直す)。
それよりも紹介に戻るわよ
駅前のショッピングモールには、
雑貨店や飲食店、シネコンなど、様々な店が並んでるわ。
デートでは重宝する場所ね
服にメガネにアルカリ電池!
なんでも揃う夢のような場所ですよね!
……あなた、電池で動いてないでしょ
――――あれ? じゃあ依那、なにで動いてるんですか?
普通にご飯食べますし……寝たら元気になりますし――
――はっ! わかりましたよ! アレですね?

自家発電!
…………さて、外といえば、学園と黒田家を繋ぐ通学路
朝は学園に向かう学生の姿でにぎわうわね
うぅ……スルーですか……。
新製品にも冬の時代到来です。もっと優しくして欲しいです
兎角。
音羽市にはだいたいのものは揃ってるわね
はい! カラオケに、ボーリングに、遊園地!
他には他には……あ、公園もありますね!
……遊ぶところばかりじゃない。
 病院とか、図書館とか、そういうのも挙げなさいよ
あ! そうでした!
依那たちの大事な、『第七支部』もありますね!
そうね。
表向きは『喫茶店POTOS』として活動しているけど。
ほとんどアレは、恵さんの趣味よね……
ふふふ……そんなに心配そうな顔をしないでください!
大丈夫です! 蛍さんが率いる第七支部があるかぎり、
音羽市には恋愛の嵐が吹き荒れ、赤ちゃんの産声の大合唱が
鳴りやまないこと間違い無しですから!
…………あー、温泉行きたいわ
またスルー?!
そして弱酸性?!
ダメです、依那、中和されちゃいます!
…………それじゃ、お疲れさま
……って、蛍さーん? どこに行くんですかー?!
あのー、もしもーし聞いてますかー?
そ、そんなに早く歩かなくても、屋台は逃げませんよー?!