こんにちは! 久坂愛奈です。
音羽学園の説明にようこそー。
あ、あの……こんにちは、早川優梨子です。
えと……その、みみみ、短い間ですが、
よ、よろしくおねがいしますっ!
緊張しなくても大丈夫だって。
わたしたちの通う学園を紹介するだけなんだから、
いつも通りに、リラックスリラックス。
はい! わかりました!!!
(お約束の緊張っぷりだなぁ……)
(ええと、こういうときは、『人』っていう字を
 3回書いて飲むんでしたっけ……
 入、入、入……ごくん!)
えー、音羽学園は在学生徒数1800人を越える、
超巨大マンモス校です。少子化のこの世の中でも、
かなり大きな学園です。
き、近隣の学園をまとめて合併したので、
家が遠い方のために寮も用意されています。
そうそう。
合併したから、新しく校舎が建てられたんだけど、
レトロな木造の旧校舎も残ってるんだよね。
旧校舎には、わたしたちが所属する、
学園祭実行委員会の詰め所もあるんですよね。
だねぇ。
電車で通っている方のために、
学園と駅前までを繋ぐ送迎バスも出ていますね。
わたしや黒田は家が近いから、歩きだけどね。
学園前の坂は結構きついんだよねぇ……。
あ、わかります……。え、えーと……ほかには……
屋上や、中庭はランチスポットになっていますよね。
昼下がりの……恋人たちの語らう愛の庭ですね……。
――たらり。
わっ?! 優梨子ちゃん! 鼻血鼻血!
今拭くからじっとしててね?!

フキフキ……。
あぁ……わたしもそんなこと言われてみたいです……。
(拭かれてるのに気付かないんだ……。
 というか、妄想継続中?)
あー……でも、ランチスポットって言っても、
もう外もだいぶ寒くなってきたから、
学食で食べる人が多くなってきちゃったけどね。
あぁ……そうですね、この前の運動会の時も、
ブルマだけだとすごく寒かったですから。
ジャージは必須だったもんね。
来月の学園祭までは、ぬくぬくなままだといいなぁ……。
学園で暖かいところといえば、図書室に……
あとは、多目的ホールでしょうか?
あ、温水プールもあるよ?
室内だから年中入れるんだよねー。
プール……先輩とふたりっきりで………………。
……お……おーい、優梨子ちゃーん?
ぶしゅ――!
だだだ、だめですよ、先輩っ!
わぁっ?! ちょっと、優梨子ちゃん?!
駄目なのはこっちだよ! 今回のは致死量っぽくない?!
あ……だ、大丈夫です……ふふ、ふふふ……。
ふ、ふたりの愛は……過激に無敵です……ふふっ。
はぁ……とりあえず、保健室にいこっか。
……絶好調だな。
ずるずるずる……。